花屋の魅力は花そのものだけでなく、店舗の内装・外観によっても大きく左右されます。
店先の雰囲気が良ければ通りすがりの人の足を止め、居心地の良い店内は来店客の満足度を高めて購買意欲を刺激します。
本記事では、花屋の内装と外観のデザインについて、押さえておきたいポイントや最新トレンド、避けるべき失敗例、さらに予算に応じた計画のコツをご紹介します。
WHATS incでは1,000店舗以上の内装設計実績を元に開業・内装のご相談を承っております。
相談は無料で受けておりますので、下記のお問い合わせフォーム、もしくはLINEからお気軽にご相談ください。
集客につながる花屋の外観デザイン5つのポイント
花屋の外観はお店の顔であり、道行く人に「入ってみたい」と思わせる大事な要素です。
外観デザインの工夫次第で集客力は大きく変わります。
花屋の外観デザインで意識したい5つのポイントを紹介します。
通行人の目を引くファサードの作り方
まず、通行人の視線を集めるファサード(建物正面)のデザインが重要です。
周囲の店舗と差別化できる独自のスタイルやカラーリングを取り入れて、ひと目で花屋と分かる印象的な外観にしましょう。
店舗のコンセプトに合った装飾やロゴマークをファサードに配置して、ブランドイメージを体現した魅力的な外観を作り上げます。
季節感を演出するディスプレイ設計
季節感のある演出により、来店客に常に新鮮な印象を与えられます。春は桜やチューリップ、夏はヒマワリや涼しげなグリーン、秋は紅葉や実物、冬はクリスマスリースやポインセチアなど、季節ごとの花材や装飾品を店頭ディスプレイに取り入れましょう。
季節が変わるごとに店頭を模様替えすることで、「いつ訪れても新しい発見がある」と感じてもらえ、リピーター獲得にもつながります。
商品が見えやすいショーウィンドウの設計
商品の美しさを最大限に伝えるため、ショーウィンドウを工夫して店内の花々を外からよく見えるようにしましょう。ガラスは常に清潔に保ち、視界を遮るポスターなどは貼らず、店内のブーケや鉢植えが自然に目に入る状態にします。
特に売れ筋の商品や旬の花は目線の高さ(約150cm)に配置すると通行人の目に留まりやすく効果的です。
ディスプレイは手前を低く奥を高く並べると、遠方からでも店内奥の花まで視線が届き、豊富な品揃えに見せられます。
夜間はショーウィンドウをライトアップし、花々が美しく浮かび上がるようにしておくと道行く人に強い印象を与えられます。
店名サインの効果的な設置方法
店名サインのデザインと配置も集客に直結する重要な要素です。
遠くからでも読みやすい大きさ・フォントを選び、背景とのコントラストを明確にしましょう。
建物正面上部の看板に加え、歩行者の目線に近い高さに袖看板を出すと認識されやすくなります。夜間も営業する場合は、照明付きの看板やライトアップで暗い時間帯でも店名が目立つよう工夫しましょう。
凝りすぎて店名が読みにくくなっては逆効果です。ブランドイメージを踏まえつつ、シンプルで明快に店名を伝えるサインを心がけましょう。
外構と植栽による雰囲気づくり
店舗周りの外構(エクステリア)デザインと植栽計画によって、花屋の雰囲気は一層豊かになります。
店先にちょっとしたガーデンスペースがあるなら、季節の花壇やプランターを配置してお客様を出迎える演出をしましょう。
スペースがなくても、鉢植えやスタンドに花をいくつか並べておくだけで店頭に彩りと奥行きが生まれます。ただし、屋外の植栽は定期的な水やりや手入れが欠かせないため、無理なく維持できる範囲で計画することが大切です。
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おしゃれな花屋の内装を作る3つの要素
花屋の内装は、花の美しさを引き立てると同時にスタッフの作業性も考慮する必要があります。
ここでは、機能的で美しい内装に欠かせない3つの要素を紹介します。
花と緑を引き立てる内装カラーと素材選び
花や観葉植物の色彩を引き立てるには、内装の色使いと素材選びに配慮しましょう。壁や天井は白・ベージュ・淡いグレーなどニュートラルカラーを基調にすると、カラフルな花々が映えます。
床材や棚には木材・石材など自然素材を用いると温もりが生まれます。
ただし水や土で汚れやすい環境ですので、素材は見た目だけでなく耐水性にも優れたものを選ぶことが重要です。
壁の一部にグリーンウォール(植物の壁面装飾)を取り入れるのもおすすめです。
作業効率を高める動線と水回り設計
美しいだけでなくスタッフが効率よく作業できるレイアウトにすることも大切です。
通路は人がすれ違える幅を約90cm以上は確保し、入口付近はゆとりを持たせましょう。スタッフの作業スペースやバックヤードへの導線も確保しましょう。
レジカウンターや作業台はシンク近くに配置し、花の水替え作業がスムーズに行えるようにします。花束作成やラッピング用の作業台は十分な広さを確保し、道具類を整理して作業効率を高めます。
お客様の動線とスタッフ動線が交差しないよう配慮すれば、接客中に従業員が慌ただしく行き来することもなく、店内の落ち着きを保てます。
商品の魅力を最大化する照明の選択
照明計画は花の美しさを最大限に引き出す重要な要素です。自然光が理想ですが、人工照明でも花色を美しく見せましょう。
演色性の高い昼白色LED照明(約5000K)を使えば、花本来の鮮やかな色彩が損なわれません。
全体を明るく照らすベース照明に加えて、季節のおすすめコーナーなど見せたい部分にはスポットライトを当て、自然と視線が集まるようにします。
照明器具は発熱の少ないタイプを選び、花に直接当たるライトも熱影響の少ないLEDにすることで、長時間照らしても花が傷みにくくなります。
適切な照明に輝く花々はお客様の目を引き、「ここで買いたい」という気持ちを高めてくれるでしょう。
花屋の内装・外観で避けるべき5つの失敗例
デザイン面で陥りがちな失敗例を5つ紹介します。
それぞれ何が問題になるのか、どのように解決すべきか解説していきます。
花の管理に適さない温度・湿度環境
デザインを優先するあまり、店内環境が花の管理に適さなくなるケースがあります。例えば、大きな窓からの日差しを遮れず真夏に店内が温室のように高温になると、花はすぐ傷んでしまいます。
空調で空気が乾燥しすぎたり、湿度が高すぎたりする環境も好ましくありません。花屋では一般的に、花の鮮度を保つため室温15~25℃、湿度50~60%程度が理想と言われます。
デザイン計画時には、日除け用オーニングや換気システム、必要に応じ加湿器・除湿機の設置を検討し、年間を通じて花に適した温湿度を維持できるよう配慮しましょう。
作業スペースと販売スペースのバランス
店内のスペース配分を誤り、作業エリアと販売エリアのバランスが崩れることがあります。売り場を優先しすぎると作業スペースが狭くなり、スタッフが店頭で資材を広げざるを得ない状況になります。
逆にバックヤードを広く取りすぎると商品陳列が手薄になり、品揃えが少なく見えてしまうでしょう。限られた面積で両立させるには、用途ごとに空間を区切り、作業スペースには花束制作台や在庫置き場など最低限の広さを確保、残りを商品ディスプレイに充てるメリハリが有効です。
スタッフの動きやすさとお客様の見やすさを両立させ、バランスが取れたレイアウトを心がけましょう。
水や土で傷みやすい不適切な床材
花屋では水や土が床にこぼれやすいため、床材を誤るとすぐ汚損や劣化が生じます。
例えば、防水処理されていない無垢フローリングを使った結果、水じみや土汚れで黒ずんでしまうことも。
花屋の床材には、耐水性・耐久性に優れ、お手入れしやすい素材を選ぶことが鉄則です。クッションフロアやタイル貼りの床は水拭きが容易で比較的滑りにくく適しています。
木の風合いを出したい場合は、耐水性のフロアタイルや防水加工した木材を用いましょう。
内装計画時に「汚れにくさ」「滑りにくさ」を考慮することが大切です。
メンテナンスコストを考慮しない外観
デザイン段階で美しさだけでなく維持のしやすさも考えましょう。
耐候性の高い外装材や汚れが目立ちにくい色を選べば、景観を長く保ちやすくなります。植栽も、季節ごとに植え替えが必要な花ばかりにせず多年草や常緑樹を織り交ぜて管理の手間を分散させる工夫をするのがおすすめです。
デザインとメンテナンスのバランスを取ることが、長期的に見てコストパフォーマンスの良い店舗運営につながります。
ブランドイメージと不一致な装飾
流行のデザインや個人の好みを優先しすぎると、ブランドコンセプトとちぐはぐな内外装になってしまう恐れがあります。
例えば、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を目指しているのにビビッドなネオンライトを内装に使って世界観が崩れてしまうケースです。
店舗デザインはコンセプトやターゲットを視覚的に伝える手段であり、色・素材・家具・照明・サインなど全要素を統一されたテーマに沿って選ぶ必要があります。
検討時には常に「それはコンセプトに合っているか?」と考えることが大切です。
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予算別で考える花屋内装・外観の3つの内装費用
内装・外観のデザイン計画は予算に合わせた工夫が欠かせません。
限られた資金でもアイデア次第で魅力的な空間は作れますし、大きな予算があればより大胆な挑戦も可能です。
ここでは、500万円以下、1000万円以下、1000万円以上の3つの予算帯それぞれで実現できる花屋づくりのポイントを紹介します。
500万円以下で実現する花屋の空間デザイン
低予算(500万円以下)で花屋の内装・外観を整える場合は、コストパフォーマンスを意識した計画が不可欠です。大掛かりな水回りの工事や特注家具は避け、市販什器やDIYで工夫して空間を演出しましょう。
塗装や中古家具のリメイクで内装を刷新すれば、費用を抑えつつ個性的な空間を作れます。照明も既存電球をLEDに替えたりスポットライトを追加して、低コストで商品の見映えを向上させましょう。
外観も、入口周りの塗装や看板の新調だけでも店の印象を大きく変えられます。
小さな予算だからこそ重要なポイントに集中投資し、それ以外はアイデアと手間で補うメリハリが大切です。
1000万円以下で実現する花屋の空間デザイン
500万~1000万円程度の予算があれば、設計会社の力を借りつつ質の高い店舗デザインが可能です。
内装ではレイアウト変更や床材の張り替え、造作家具の導入などを検討でき、店内の床をタイルや耐水フローリングに張り替えて雰囲気を刷新したり、花のショーケースを新設して鮮度管理を強化することもできます。
カウンターや大型の陳列棚をオーダーメイドすれば空間に一体感が生まれます。外観も、木製ルーバーやアイアン装飾で高級感を演出したり、大きなガラス窓で開放的な店構えにするリノベーションが可能です。
この予算帯ではデザイナーや施工業者に相談し、ブランドイメージに沿った洗練されたデザインに挑戦しましょう。
1000万円以上で実現する花屋の空間デザイン
潤沢な予算が確保できる場合、より大胆で独創的な空間デザインが可能です。店舗自体の改築や増築を伴う大規模な設計も視野に入るでしょう。
外観も、建物のファサード全体をデザインし直して街のランドマークとなる象徴的なショップに仕上げることも可能です。全面ガラス張りの温室風ショップや夜間の印象的なライトアップなど、昼夜問わず注目される店構えを目指すことができます。
高予算だからこそ細部までブランドコンセプトを追求し、他にはない唯一無二の世界観を創り上げましょう。
まとめ
花屋の内装・外観デザインは、お店の第一印象や居心地、花の鮮度管理にまで関わる重要な要素です。
ファサードやショーウィンドウ、看板など外観で通行人の心を掴み、内装では色彩や動線、照明によって「また来たい」と思える空間を作り上げることが大切です。
どのようなターゲットでブランドを表現するか、コンセプトを元に理想の花屋を作り上げていきましょう。
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