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Magazine / Blog高単価飲食店・バーの内装デザイン|空間の格を決める5つのポイントと事例
高単価の飲食店・バーの内装で設計するのは「滞在の価値」
この記事でわかること
客単価の高い飲食店やバーでは、料理や酒の質に加えて、店に入ってから席を立つまでの体験すべてが、価格の納得感につながります。内装は、その体験を形にする大きな手段のひとつです。
一般的な飲食店の内装では、席数や回転率、厨房との動線といった効率が中心になります。高単価の店では、効率に加えて「ゆっくり過ごせる」「特別な場に来た」と感じてもらえる空気づくりが求められます。
ここでは、設計の考え方を5つに分けて整理し、WHATSが手がけた飲食店・バーの事例を紹介します。
空間の格を左右する5つの設計ポイント
1. 入口からアプローチまでの見せ方
店の印象は、扉を開ける前から始まります。外から店内が見えるのか、通路や壁で少しずつ内部が見えてくるのか。どちらを選ぶかで、お客様が抱く期待が変わります。
隠れ家のような店では、入口を控えめにして、奥へ進むほど照明と素材の質を上げていく設計がよく取られます。

2. 照明は、明るさよりも陰影を設計する
高単価の店では、天井の全体照明を抑え、間接照明で壁や天井の縁を照らし、テーブルとカウンターの手元だけをしっかり照らす考え方がよく使われます。料理と人の表情がきれいに見え、周囲の席も気になりにくくなります。
色味は、暖かい電球色を基本にして、場所ごとに濃淡をつけます。
3. 素材は、手で触れる場所から選ぶ
一枚板のカウンター、石、レンガ、革や織物など、手や体が触れる部分ほど、素材の質感が体験に直結します。素材の種類を増やすより、数を絞って仕上げを丁寧にするほうが、落ち着いた印象になります。

予算は触れる場所から配分する
カウンターの天板、椅子の座面、扉の取っ手など、お客様が触れる場所から素材を決めると、予算の配分を整理しやすくなります。
4. 席の配置と、席同士の距離感
カウンター、テーブル、個室を組み合わせる場合は、席同士の距離と視線を設計します。隣の席が近すぎると、料理や会話に集中しにくくなります。個室を設けるときは、入口から個室まで他の席の前を通らないようにするなど、特別感を保つ工夫をします。

5. 音・匂い・厨房との動線
高単価の店ほど、音や匂いは気になる要素です。厨房の位置、換気の経路、床・壁・天井の素材による反響を、図面の段階で整理します。配膳の動線とお客様の動線が交わらない配置にすると、静けさを保ちやすくなります。
換気と排気は、早めに確認する
換気・排気の計画は、物件や建物の条件によって変わります。物件を決める前に、内装会社と一緒に確認しておくと安心です。
WHATSが手がけた飲食店・バーの事例
WHATSの施工事例ページで公開している飲食店・バーのうち、7件を紹介します。いずれも2007年から2015年にかけての施工で、当時の事例です。
| 事例 | 業態とイメージ | 場所と施工時期 |
| 霞町301-1 | 和食隠れ家ダイニング/シンプル | 東京都港区/2007年7月 |
| 焼肉門前成市 ドラゴン | 焼肉/ラグジュアリー | 東京都江東区/2008年1月 |
| CUCULU | ワイン・シャンパンバー/アンティーク・クラシック | 東京都港区/2007年7月 |
| excellent | バー/モダン・ラグジュアリー | 東京都港区/2015年8月 |
| VolcA | ワイン・シャンパンバー/クラシック | 東京都港区/2008年5月 |
| DINER tomato | ダイニングバー/クラシック | 東京都目黒区/2008年10月 |
| Castle Rock | アメリカ料理/アンティーク・クラシック | 千葉県市川市/2009年2月 |
写真のあるうち5件で、設計のポイントを見ていきます。
霞町301-1|陰影で落ち着きをつくる和食ダイニング

霞町301-1は、東京都港区の和食隠れ家ダイニングで、2007年7月に施工しました。イメージは「シンプル」です。
掲載写真では、天井と壁の縁を照らす間接照明、長い木のカウンター、奥の植栽が目に入ります。色数を抑えた空間の中で木の質感を主役にしていることが、隠れ家らしい落ち着きにつながっています。
焼肉門前成市 ドラゴン|入口から客席までに見せ場をつくる

焼肉門前成市 ドラゴンは、東京都江東区の焼肉店で、2008年1月に施工しました。イメージは「ラグジュアリー」です。
掲載写真は、通路から店内を見る場面です。赤い枝のような造形のスクリーン越しに客席が見え、足元のガラス越しに白い石が見えます。入口から客席までの間に見せ場をつくり、期待感を高める考え方が表れています。
CUCULU|酒の並びを主役にしたワイン・シャンパンバー

CUCULUは、東京都港区西麻布のワイン・シャンパンバーで、2007年7月に施工しました。イメージは「アンティーク」「クラシック」です。
掲載写真では、レンガ調の壁を背にしたボトル棚とグラスの列が、照明に浮かび上がっています。座った人の視線が自然に酒の並びに向かう配置です。
excellent|光のラインで気持ちを切り替えるバー

excellentは、東京都港区麻布十番のバーで、2015年8月に施工しました。広さは18坪、イメージは「モダン」「ラグジュアリー」です。
掲載写真は、階段の様子です。アーチ状の細い光のラインが連なり、進むあいだに気持ちを切り替えてもらう導入の役割を持たせています。
VolcA|温かみのあるクラシックなバー

VolcAは、東京都港区西麻布のワイン・シャンパンバーで、2008年5月に施工しました。イメージは「クラシック」です。
掲載写真では、黒板のメニュー、吊り下げ式の照明、壁に並ぶ額装が、親しみのある温かい雰囲気をつくっています。同じ港区のバーでも、CUCULUの重厚さとは違う方向の「クラシック」です。
海外のデザイン賞に見る、装飾と体験づくり
Restaurant & Bar Design Awards 2026では、ラスベガスのCarbone Rivieraが最優秀レストラン賞を受賞しました。アブダビのSaikindōが最優秀バー賞、香港のHana no Kumoがアジア部門賞を受賞しています。
Carbone Rivieraは、モザイク装飾、水辺のテラス、保存された美術作品が特徴とされています。
これらは海外の事例で、そのまま日本の店舗に当てはまるわけではありません。ただ、装飾や美術作品を「その店だけの要素」として取り入れ、料理以外の記憶にも残る体験をつくる考え方は、国内の店舗でも参考になります。
内装会社に相談する前に整理しておきたいこと
相談の前に、次の5つを書き出しておくと、打ち合わせがスムーズに進みます。
- 客層と客単価の目安(どんな人が、どんな場面で使う店か)
- 席の構成(カウンター、テーブル、個室の組み合わせ)
- 厨房の位置と、換気・排気の条件
- 世界観を表す言葉と、参考にしたい店の写真
- 予算の幅と、優先したい場所
費用の考え方は、飲食店内装の費用について解説した記事もご覧ください。内装の進め方は、飲食店内装の作り方で解説しています。
この記事のまとめ
- 高単価の店の内装は、効率に加えて「滞在の価値」を設計する
- 入口、照明、素材、席の配置、音と匂いの5つで、空間の格が決まる
- 相談前に、客層・席の構成・厨房の条件・世界観・予算を整理しておく
よくある質問
Q.高単価の店と一般的な飲食店とで、内装の考え方はどう違いますか?
Q.内装会社への相談は、どの段階からできますか?
Q.参考にしたい店の写真は、必要ですか?
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