2024年の内装デザイントレンドとして話題の「ジャパンディ」スタイル。
このスタイルは、モダンな生活空間に心地よい安らぎとバランスをもたらすとして、近年非常に人気を集めています。
今回は店舗内装でジャパンディスタイルを取り入れる際のポイントを解説していきます。
目次
ジャパンディスタイルとは?
ジャパンディスタイルについて
日本の伝統的な美意識と北欧のミニマリズムを融合させたインテリアデザインスタイルです。
「ジャパンディ」という言葉は、「ジャパン(日本)」と「スカンディナビア(北欧)」を掛け合わせた造語で、日本の禅に代表される侘び寂びの文化と、北欧のヒュッゲ(Hygge)に代表される居心地の良さを掛け合わせたインテリアスタイルです。
このスタイルは、自然素材、シンプルな美しさ、機能性を重視し、心地よい空間を生み出すことを目的としています。
ジャパンディスタイルデザインの魅力
ジャパンディが注目され始めたのは、2020年。
新型コロナウィルスの大流行にともなって、おうち時間を過ごす機会が多くなったことがきっかけでした。
その中で暮らしを見直す機会も多くなり、自然とインテリアにも心地良さと安心感を求めるようになりました。
ジャパンディスタイルは過剰な装飾を排除し、自然の美しさを最大限に引き出す点にあります。
例えば、無駄のないシンプルな家具や、木材や竹などの天然素材を多用することで、視覚的にも心地よい空間を作り出します。
このようなスタイルは、特に忙しい現代社会において、リラックスできる場所を提供するために重要です。
ジャパンディスタイルを店舗内装デザインで取り入れるには?
一昔前は都会的で洗練された空間作りが多かった美容室も、施術メニューの広がりにより、長時間滞在でも落ち着ける、リラックスした空間の提供が求められるようになってきました。
例えば、半個室や個室、セット間の距離にゆとりを持ち、よりパーソナルスペースを意識した内装デザインがトレンドです。
暮らしに寄り添い、居心地の良さを追求したジャパンディスタイルは、リラックスした空間作りと相性が非常に良いと言われています。
住居では広く普及してきたジャパンディスタイルですが、店舗内装で取り入れているところはまだまだ少数。
今回は、店舗内装でジャパンディスタイルを取り入れるためのポイントを、美容室を例に解説していきます。
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ポイント1:カラーパレットの統一とアクセントカラーの選定
ジャパンディスタイルデザインでは、色選びが空間の雰囲気を大きく左右します。
一般的に、落ち着いたトーンのカラーパレットが好まれます。
ベージュ、ホワイト、グレーなどのニュートラルカラーがベースとなり、他の色を邪魔せずに木材の暖かみを引き立てます。
また、これらの色は、シンプルで清潔感があり、空間を広く見せる効果があります。
しかし、単にニュートラルカラーだけでは無機質な印象になりがちです。
そこで、ディープグリーンやダークブラウンといった自然と温もりを感じさせるアクセントカラーを用いることで、空間に深みと調和をもたらします。
これらの色をクッションや小物、家具に取り入れることで、シンプルさを保ちながらも洗練された空間を作り出せます。
また、木材の色味もカラーパレットの一部として考慮することが重要です。木材の自然な色合いは、ニュートラルカラーと調和しながらも、空間に温かみを与えます。
特に、美容室のカウンターや椅子、テーブルなどには、木の質感を生かしたデザインを取り入れると良いでしょう。
重要なのは、過度に鮮やかな色を避けることです。
ジャパンディスタイルの内装デザインは、視覚的なリラックスを提供するため、派手な色は控えめにし、自然な色合いに統一することが推奨されます。
例えば、壁や床には淡いグレーやベージュを採用し、家具やアクセサリーでダークトーンのアクセントを加えることで、バランスの取れた空間が生まれます。
淡いカラーで構成するインテリアデザインのため、全体的にぼんやりとした雰囲気になりがちな場合は、アクセントとしてブラックの小物を取り入れるのがおすすめです。
美容室の内装デザインなどでもセット椅子にブラックを取り入れいるとグッとひきしまった空間になります。
カラーパレットを統一することで、空間全体が調和し、視覚的な安定感をもたらします。顧客が美容室に入った瞬間に感じる「居心地の良さ」は、このカラーバランスによって生まれます。
ポイント2:自然素材の使用
ジャパンディスタイルの大きな特徴の一つが、木材、竹、石など自然素材が持つ質感を生かした内装デザインです。
美容室の内装デザインにおいても、この要素を積極的に取り入れることが求められます。
自然豊かな北欧は、日照時間が短く冬季は非常に寒いことで有名ですよね。
お家で過ごす時間が長いことから、インテリアには温もりのある自然素材が多く使われています。
また、日本の和室にある畳・欄間・障子などの伝統的な造りも、イグサ・天然木・和紙・竹などの自然の素材を使うのが特徴です。
いずれも自然を大切にしているという共通点があり、丈夫さ・利便性・機能性を重視したインテリアがジャパンディとされています。
木材、竹、リネン、ウールなど、ナチュラルな素材を積極的に取り入れることで、視覚的にも触覚的にも温かみを感じる空間を作り出します。
特に、オークやヒノキなどの淡い木材は、北欧と日本の両方の文化に共通する素材であり、ジャパンディスタイルには欠かせない要素です。
家具や床材、壁面に自然素材を取り入れる際は、質感にもこだわることが重要です。
ですが、室内に「和」の要素を取り入れることは以外と難しいものです。
もしも部屋全体が北欧テイストに偏ってしまった場合は、カーテンのデザインで「和」の要素を取り入れてみましょう。
例えば、竹の壁材や和紙を使ったアクセントウォールは、視覚的にも美しく、自然との調和を感じさせます。竹を使った照明、ウールのラグなども自然素材がもたらす温かみがさらに引き立てられます。
また、シンプルなリネンのカーテンやクッションを加えることで、軽やかで柔らかい印象を演出できます。
顧客が自然の温かみを感じることで、居心地の良い空間が提供され、リラックスした時間を過ごせるでしょう。
ポイント3:ミニマリズムと機能性の調和
ジャパンディスタイルは、シンプルでありながら機能性を兼ね備えたデザインが特徴です。
美容室の内装デザインにおいても、過剰な装飾を避け、必要最低限のアイテムで空間を整えることが求められます。
余計な装飾を排除し、必要最低限のアイテムで空間を整えたデザインは、視覚的なストレスを軽減し、心地よい空間を生み出します。
しかし、これは単なる「物を減らす」ことではなく、機能的で美しいデザインを取り入れることが重要です。
具体的には、家具やインテリア小物の選定が重要です。
家具選びの際には無駄のないデザインの家具を選び、シンプルながらも視覚的に魅力的な空間を作り出すことがポイントです。
これから新たに収納家具を用意する場合は、オープンタイプではなく扉付きで中の物が隠せるシンプルなデザインのものを選ぶのがおすすめです。
例えば、シンプルなデザインのキャビネットや、収納スペースが組み込まれたベンチなどはすっきりとした印象を保ちつつ、実用性も損なわずに使用できます。
また、壁面もシンプルに保ち、絵画やアート作品を使う際は、控えめなデザインやカラーを選ぶことで、全体の調和を保ちます。
さらに、ミニマリズムを意識することで、作業効率の向上にも繋がります。
整理された空間は、スタッフがスムーズに動けるようになり、作業の効率が上がります。
顧客にとっても、無駄な物がないシンプルな空間は、洗練されたプロフェッショナルな印象を与えます。
ミニマリズムを取り入れた空間作りは、ブランドイメージの向上にも寄与します。
シンプルで上品なデザインは、美容室の価値を高め、顧客にとって魅力的な場所となります。
ポイント4:自然光と間接照明を活用した照明計画
日照時間が短い北欧では、日中も薄暗いため窓ガラスにはカーテンなどを取り付けないほど自然の光からの明るさを求めています。
和室にある障子や欄間(らんま)は、優しい光を採り入れるように作られているのが特徴です。
ジャパンディスタイルの美容室内装デザインでも、自然光と照明の使い方が空間の印象に大きく影響します。
自然光は、明るく開放的な空間を作り出すために重要です。
大きな窓を設け、自然光を最大限に取り入れることで、室内が明るくなり、心地よい雰囲気を演出します。
しかし、美容室は時間帯や天候によっても光の状態が変わるため、適切な照明計画が必要です。
そこで、柔らかい間接照明や温かみのあるライトを使用して、空間全体に落ち着いた雰囲気を作り出すことが必要です。
例えば天井や壁に間接照明を設置し、光を反射させることで、優しい雰囲気を演出します。
自然素材を使った優しさを感じる照明がよく使われています。
特に、自然素材を活用したペンダントライトやフロアランプを使用することで、必要な場所に柔らかな光をもたらし、空間にリラックスした印象を与えることができます。
カラーは、落ち着きのあるニュートラルカラーや、大地・植物を思わせるアースカラーなどが代表的です。
また、鏡周りの照明には、自然な肌色を映し出すライトを使用し、施術がしやすい環境を整えます。
調光可能なLED照明を使用することで、時間帯や施術内容に応じて光の強さを調整することが可能です。
夕方や夜間は暖色系の照明を使用し、リラックスした空間を作り出します。
一方、昼間は明るめの照明で、清潔感と活気を持たせることがポイントです。
また、カーテンやブラインドも光を拡散させる素材を選び、外光を柔らかく取り入れると良いでしょう。
照明は、美容室の雰囲気を大きく左右する要素ですので、しっかり計画されていない照明計画は、顧客のストレスにも繋がります。
適切な照明計画を立てることで、ジャパンディスタイル特有の落ち着いた雰囲気を引き出し、顧客にリラックスできる空間を提供します。
ポイント5:和と北欧の要素の調和
ジャパンディスタイルの真髄は、日本と北欧のデザイン要素を調和させることにあります。
日本の伝統的なデザインと北欧のミニマリズムを融合させることで、独自の美しい空間を作り出します。
美容室においても、この調和を意識したデザインが求められます。
バランスとしては、北欧風7:和風3くらいの割合がおすすめです。
畳や障子、和紙といった日本の伝統的な要素を取り入れつつ、ベースは北欧風の直線的なラインを取り入れたシンプルな家具やテキスタイルを組み合わせることで、バランスの取れた空間を作り出します。
例えば、大きめな家具は日本の伝統的な木材を使用した北欧の機能的で洗練されたデザインの家具を取り入れ、和紙の照明などポイントになるインテリアなどで伝統的な日本の美しさを取り入れるのが良いでしょう。
家具や小物においては、シンプルで美しいデザインを選ぶことがポイントです。
また、テキスタイルにも注目しましょう。
和柄を取り入れたクッションやラグ、シンプルな北欧デザインのファブリックを組み合わせることで、異なる文化が調和した空間が完成します。
さらに、和モダンなデザインの家具や装飾品を選び、全体のバランスを考慮して配置することが大切です。
日本と北欧のデザイン要素を調和させることで、他にはないユニークで美しい空間を演出できます。
顧客にとっても、伝統と現代が融合したスタイルは新鮮で魅力的な印象を与えます。
まとめ
ジャパンディスタイルを取り入れた美容室の内装デザインは、シンプルさと温かみ、機能性を兼ね備えた魅力的な空間を作り出します。
自然素材やミニマリズム、バランスの取れた色使いを意識することで、顧客がリラックスできる心地よい環境が整います。
このスタイルを取り入れることで、美容室の個性を際立たせ、訪れるたびに新鮮な感動を提供できるでしょう。
美容室の内装デザインを考える際は、ジャパンディスタイルをぜひ取り入れてみてください。
店舗内装についてはWHATS incにお気軽にご相談ください。
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