美容室を開業するときは、さまざまな費用がかかります。
店舗を作るための初期投資はもちろん、運営にも必要な経費があります。
そんなときに役立つのが、国や自治体からの助成金や補助金です。
これらを受けることで、開業資金の負担軽減や事業安定化を図ることができます。
しかし、助成金や補助金には様々な種類やルールが設けられているので、自分に合った支援を見つけることや支援を受けるまでの手順を知っておくことが大切です。
この記事では、以下を解説していきます。
・美容室の開業に使える助成金や補助金
・助成金を受けるためのポイントや注意点
美容室を開業する際には、ぜひ参考にしてください。
→内部リンク：美容室 開業ガイド
目次
美容室の開業助成金・補助金は何がある？
美容室を開業するにあたって受けることができる開業助成金や補助金には、大きく分けて次の3つがあります。
・中小企業創業支援補助金
・中小企業新規創業者等支援事業を利用する
・女性起業家支援事業を利用する
助成金や補助金の種類は全国各地の自治体や団体によって様々で、その内容や金額もそれぞれ異なります。
助成金で補うことで、開業に伴う経費、運転資金や設備資金など開業時の負担を軽減することができます。
上記の3つの補助金・助成金について詳しく解説していきます。
中小企業創業支援補助金
中小企業創業支援補助金は、新しくビジネスを始めるときに必要となる資金やサポートを、企業者や個人事業主に向けて提供する制度です。
中小企業庁や地方自治体が実施しています。補助金の具体的な内容は実地団体によって異なりますが、主に創業時に必要な設備投資や備品の購入など最大300万円まで受け取ることができます。
補助率は3分の2以下であり、自己資金も必要です。
補助金を受けられる条件としては、次のものが挙げられます。
・創業後3年以内であること
・中小企業であること、または創業予定の中小企業であること
・事業計画が具体的で明確であること
このように、補助金の対象となるには会社の規模や時期など、様々な条件があります。
開業時は多くの資金が必要となり、自己資金のみでは難しいこともあります。そういった場合に、中小企業創業支援補助金は大きな助けとなるでしょう。
中小企業新規創業者等支援事業を利用する
中小企業新規創業者支援事業は、補助金や助成金を有利に申請するための中小企業庁が実施する新しいビジネスを立ち上げるための支援プログラムです。
具体的には次のような支援を得ることができます。
・助成金や補助金などの支援金の提供
・資金調達のアドバイス
・事業計画の策定
・財務や法務などのアドバイス
・事業運営に必要な知識や情報の提供
上記のような支援は中小企業庁が認定した支援機関によって提供されます。
中小企業庁のホームページから市区町村別の創業支援制度の内容を確認できるので、一度確認してみると良いでしょう。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/koubo/index.html
女性起業家支援事業（女性、若者／シニア起業家支援資金）を利用する
女性起業家支援事業は、女性の企業を支援するために実施されるプログラムです。
このプログラムは、国や地方自治体に加え、様々な企業が実施しています。
例えば、経済産業省では地域の金融機関や創業支援機関を中心とした女性起業家等支援ネットワークを全国10箇所に作り、女性の起業を支援する体制を整備しています。
その他、日本金融公庫では女性や若者・シニアの創業者に対して特別利率で最大1億円まで資金の貸付を行っており、中小企業庁では、起業したい女性を応援する全国の応援者の情報交換・連携ネットワーク「わたしの起業応援団」を公開しています。
これらは一例であり、他にも支援団体や企業によって様々なサポートを受けることができます。
女性の方は特にチェックしておくことをオススメします。
美容室の開業助成金の申請方法3つのステップ
美容室の開業するための助成金を申請するには、主に次の3つのステップを踏む必要があります。
①補助金・助成金を探す
②専門家に相談しつつ書類を揃える
③補助金・助成金に申請する
助成金や補助金は種類が多く、その内容や条件によって必要な書類が異なります。
書類や手続きが煩雑なので、申請をする際は専門家に相談しながら進めるようにしましょう。ここからは、3つのステップについて詳しく見ていきます。
①補助金・助成金を探す
美容室の開業へ向けて補助金や助成金の申請をする際は、まずは補助金や助成金を探すところから始めましょう。
具体的には、次のような方法が挙げられます。
・中小企業庁のウェブサイトを確認する
・地方自治体のウェブサイトを確認する
・産業団地や商工会議所などの情報を調べる
・専門家に相談する
まずは、国や地方自治体など、政府が発表している助成金を確認してみるのが良いでしょう。
中小企業庁や地方自治体では、中小企業向けの様々な支援制度を紹介しており、助成金や補助金に関する支援も行っています。
また、産業団地や商工会議所などでも、開業支援を行っている場合があります。
ただ、助成金や補助金には種類が多く、選び方や申請の仕方が難しいこともあります。
そういった場合は、会計士や税理士など、専門家に相談するのがおすすめです。
資金に関する知識があるので様々な情報を手に入れることができるのはもちろん、申請する際に必要な書類作成のサポートも受けることができます。
無料で相談を受け付けている場合もあるので、申請に不安のある方は1度問い合わせてみるのも良いかもしれません。
②専門家に相談しつつ書類を揃える
受けたい支援が決まったら、次は申請に向けて書類を揃える必要があります。
助成金や補助金の申請には、想像以上に手間がかかります。記入が必要な書類の枚数や添付資料の準備に時間がかかることはもちろんですが、審査の際には審査が必要な場合もあります。
準備をより円滑に進めるために、できるだけ1人で行うのではなく専門家に相談するようにしましょう。
専門家は実績があるため、書類の書き方や書くべきポイントを抑えています。
専門家に相談することで自分で作成するよりも審査の通過率やスピードが改善されます。
また、専門家によっては経営相談をすることも可能です。補助金の申請へ向けて専門家と多くの事を話し合うので、事業計画書のブラッシュアップにも繋がります。
③補助金・助成金に申請する
書類が揃ったら、いよいよ申請に進みます。
助成金や補助金の内容にしたがって、各種窓口に申請書類を提出しましょう。
提出が完了すると、申請された内容に対して審査が行われます。
申請書類や添付書類に誤りがないか確認を行う際、もし誤りがあった場合は訂正や追加の提出を求められることもあります。
書類審査では、事業プランや企業が持っている技術など、様々な側面から審査されます。
そして、審査に通過すると支給決定通知書が届き、1〜2週間以内に助成金を受給することができます。
美容室の開業助成金を活用した開業の流れを紹介
美容室を開業する際、助成金や補助金を利用した場合の開業にはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。具体的なステップは次のようになります。
①コンセプトを決めて事業計画書を作る
②物件を選び資金調達をする
③店舗施工と開業手続きをする
ここからは、助成金の申請のタイミングなどを交えながら、それぞれのステップを具体的に解説していきます。
美容室開業の流れは下記で詳しく解説しているので合わせてお読みください。
参考記事：美容室開業の流れを徹底解説【必要なものチェックリスト】
コンセプトを決めて事業計画書を作る
まずは、美容室のコンセプトを決めるところから始めます。
どういった顧客に対してどのような価値を提供したいのか、より明確に決めるようにしましょう。
コンセプト作成と同時に、出店したい立地を考えておくことも大切です。
立地によって家賃やターゲットが変わってくるので、メニュー単価を考える必要があります。
そういった側面を踏まえながらコンセプトを作成しましょう。
コンセプトが決まったら、自分のビジネスをまとめた事業計画書を作成します。
具体的には、自分の美容室の目的や目標、財務計画といった内容を書きます。コンセプトと同様にできるだけ具体的かつ明確に作るようにしましょう。
物件を選び資金調達をする
次のステップは、物件選びと資金調達です。
事前に決めたターゲットと立地調査を踏まえて、予算に合った物件を選びましょう。
物件探しは弊社でも候補を紹介していますので、お気軽にご連絡ください。
そして、物件選定と同時に資金調達も進めていきます。助成金や補助金の受給を考えている場合は、審査に向けて書類を作成し申請しましょう。
助成金や補助金には様々な種類や条件があり、選定や提出書類の作成などには多くの時間がかかります。余裕を持って早めに情報収集を行いながら、専門家に相談をして申請を進めることがおすすめです。
店舗施工と開業手続きをする
最後のステップでは、店舗の施工と開業手続きです。
物件を契約したら、サロンのコンセプトに合わせて内装工事を完成させます。
弊社ではコンセプト、予算に合わせて理想の美容室作りをサポートさせていただいております。
物件選びからコンセプトに合わせた内装作り、補助金や助成金活用のため専門家の紹介もしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
また、美容室の開業には税務署と保健所への届け出が必要です。
美容室を開業する際は、厚生労働省が定めた基準を満たす必要があります。
書類の提出や立ち合い審査が必要なので、美容室をスムーズに開業するためにも、専門家に相談しつつしっかり準備進めていきましょう。
助成金・補助金の注意点
これまで助成金・補助金について述べてきましたが、美容室を開業する時には多額のお金が必要になる為、いつのタイミングで助成金・補助金が支給されるのかという事もしっかり把握しておきましょう。
助成金や補助金によっては、既に工事が終わり、工事代を支払った後に、支払い証明を出してからやっと支給の手続きが完了するものもあります。
前払いのお金が必要なことも大いにあるので、資金調達の計画についてはしっかり調べた上でスケジュールを組みましょう。
美容室開業の相談は実績豊富なWHATS incへ
美容室を開業するときには、さまざまな費用がかかります。
店舗の賃貸料や内装費、美容器具や備品の購入費、人件費や広告費など、初期投資だけでなく、店舗運営にも費用が必要です。
WHATSinc では、美容室の開業にあたっての相談を受け付けています。開業に悩んだら、専門知識・実績豊富なWHATS incへぜひお問い合わせください。
