近年、カフェを併設した美容室が増えてきました。
それというのも、飽和状態にある美容業界で、美容室+αのサービスを提供することで差別化を図る動きが活発化しているからだというように思います。
美容室+αのサービスには
・美容室+保育所
・美容室+飲食店
・美容室+物販
など、さまざまな分野がありますが、
その中でもやはり人気なのがカフェ併設の美容室です。
保育所やキッズスペースなどは需要がありますが、本格的にするなら
子供を預かるというところで申請や制度がやや厳しいので、運営できるかどうかの確認が必要です。
物販については、美容用品の店販であれば親和性がいいし、既に実施しているところがほとんどでしょう。
美容と関連性の低いものを販売する際は、在庫を抱えることになるので、
仕入れと物販の専門知識をつけないと、純利益を出しづらいという点があります。
今回は、比較的手を出しやすく、親和性のあるカフェ併設の美容室について
店舗を作っていく上でのメリットや注意点を解説していきます。
美容室の内装についてはこちらの記事もご参照ください
参照:【美容室の内装完全ガイド】内装の流れからデザイン事例まで解説
目次
美容室とカフェを併設するメリット3つ
カフェと美容室を併設するにあたってのメリットは下記3つです。
①美容室とカフェで新規顧客獲得の相乗効果が望める
②美容室の待ち時間を活用して売上が望める
③地域との関わりが増える
以下、順番に解説していきます。
①新規顧客獲得の相乗効果が望める
カフェは、事前にWEBで調べて行く場合もありますし、
街を歩いている時に、たまたま目に入った良さげなところに行く事もあります。
カフェを必要としているお客様は、美容室を必要としているお客様とまた別の目的を持った層ですので
今までWEBなどの広告で呼び込めなかったお客様にも、美容室の存在を知ってもらう事ができます。
また、その瞬間に美容室を必要としていないお客様にも、存在を知ってもらい、アピールする場を設けられます。
もちろん逆も然りで、美容室目当てで来店した顧客がカフェの存在を知って、常連になってくれる可能性もあります。
カフェというのは幅広い年代・性別にアプローチできるのに加えて
ある程度「身なりを大事にしている・生活スタイルを大事にしている・リフレッシュの時間を大事にしている」
といった要素をもったカテゴリーの人たちにアプローチできるので、美容室との親和性は非常に良いのです。
そういった意味で、美容室とカフェは相互に新規顧客を集められる相乗効果を期待できるでしょう。
②美容室の待ち時間を活用しての売上が望める
例えば家庭持ちのお客様の場合、
美容室の施術の待ち時間の間、ご家族の方にはカフェで待っていて頂くという使い方が出来ます。
例えばお子様がまだ小さいご家庭の場合は、
ご家族のどなたかに面倒を見てもらいつつカフェで待機してもらうという形も可能になります。
また、デートや遊びに行く時の待合わせ場所としてカフェを使用してもらえれば
待ち合わせぎりぎりまでの施術も可能になるでしょう。
そういった付加価値がつけば、新規の呼び込みやリピーターの獲得につながりますし売上の増加にもつながります。
③地域との関わりが増える
美容室だと使用する目的が限られているため、アプローチ出来る幅が限られますが、
カフェは多目的スペースやイベント会場として貸し出す事も可能なので、人との関わりが広がります。
そうする事で地域との関わりも増えていき、リピーターの獲得に繋がりやすくなるでしょう。
地域によってはファミリー層やそのママ友、パパ友など、つながりを広げる事も可能なため
美容室単体ではアプローチ出来なかった人々まで幅が広げられるのが魅力です。
WEB広告で集客した顧客は、数が多くてもすぐ離れてしまう確率も高いので
こういった人との関わりでリピート率を上げるのもひとつの手です。
カフェ併設の美容室を作る際の注意点3つ
カフェ併設の美容室にはメリットもありますがもちろん気をつけなければいけない点もあります。
少しでもカフェ併設美容室を経営したいと思ったら、下記3点について把握しておきましょう。
①保健所の規定によって区画の仕切りが厳しい
②基本、施術スペースでのカフェ用飲食物提供はNG
③資格の取得
以下、順番に説明していきます。
①保健所の規定によって区画の仕切りが厳しい
原則、店舗を運営する際、営業許可をもらうために保健所の検査を受けます。
地域によりますが、検査の基準を満たすため、平面の設計についても複数の規定が設けられています。
カフェ併設の美容室を作る際、
例えば「店内に共用の通路を設け、カフェ及び美容室への入り口両方に扉を設置する」
というような規定があったりします。
扉の設置位置や枚数の違いはありますが、基本的にカフェスペースと美容室のスペースは扉や壁で区切られている必要があります。
カフェがテイクアウトだけの場合もこれが適用されるので、場合によっては思い描いていたスタイルが実現出来ないという可能性もあります。
また、飲食物を取り扱う店舗の調理スペースは内装設計上他にも様々な規制があります。
保健所の規定については地域ごとに違うので、まずは設計の段階で窓口に確認するようにしましょう。
②基本、施術スペースでのカフェ用飲食物提供はNG
基本的には美容室は美容室・飲食店は飲食店の営業許可があるので
原則、施術スペースでカフェの飲食物を提供するのはNGです。
よく「美容室のカラーリングの待ち時間に、カフェで提供している飲食物を楽しんでもらう」という内容の話があがったりしますが、その場合は、本来は一度施術スペースから離れて、区画の扉を通り、飲食スペースへ移動してもらう必要があります。
美容室のサービスの一環として無償で飲み物を提供し
「併設のカフェでも同じものを取り扱っているので、よかったら帰りに寄ってみてくださいね」程度であればギリギリかもしれませんが、カフェの提供物として美容室のお客様に飲食物を提供する事は出来ないと認識しておきましょう。
③資格の取得
カフェでは飲食物を扱うわけですから、食品営業許可を取得する必要があります。
食品営業許可は、提供するもの毎に細かく分類されていますが
「喫茶店営業」の許可はその中でも割と敷居が低いほうなので、取得される方が多いようです。
喫茶店営業の許可の中で提供できるものは、包装された既製のお菓子と飲み物です。
調理をしたりお酒を提供したい場合は「飲食店営業」の許可になるので注意しましょう。
また、お店に専任の「食品衛生責任者」の資格所有者が1人必要なので、資格を取得しておきましょう。
「食品衛生責任者」の資格は、各都道府県に設置されている、衛生協会が実施している講習を受けることで取得できます。
合計6時間の講習で資格が取得できるので、都合をつけて受講しましょう。
理想のカフェ併設美容室の運営方法を考えよう
これまで述べたように、カフェ併設の美容室の運営にはメリットと注意点がありました。
ただ、客席を設けたカフェを本格的に運営するのはまだ勇気が出ないという方も中にはいらっしゃいます。
まずは小規模にカフェ運営をされたい美容室さんで多いのが、テイクアウト専門で始める事例です。
カフェ利用のお客様は店舗内に入らず、外部から受け渡しをする形が最も省スペースで、運営的にもやりやすいので、人気のようです。
自分がどういった運営方法でカフェと美容室を運営していきたいのかを検討した上で、規模を考えていきましょう。
テイクアウト専門のカフェ併設美容室のデザイン事例
テイクアウト専門でカフェを設営した際のデザイン事例を2つご紹介します。
①外観
美容室の入り口に並ぶようにカフェの窓口を設置しています。
こちらは完全にテイクアウト専門の形態にしています。
こちらはカフェの外側に椅子を用意して、腰掛けるスペースを設けています。
②内装
美容室に入ってすぐのレセプション脇から、扉を隔てて、カフェの調理スペース兼受け渡し口に行けるようにしています。
こちらは「共有の通路から美容室及びカフェへ入る扉をそれぞれ作ること」が規約の地域なので、入り口から入ってすぐ、風除室のような形で共有の通路があり、そこから美容室への入り口とカフェスペースへの入り口に分かれています。
美容室のスペースは通常の美容室と変わらない設計をしています。
食品を取り扱う場合、美容室の開業とはまた違う手間がたくさんあります。
内装に関する制限も出てくるので、そこでつまづかないように、専門の業者と相談しながら設計やデザインを進めましょう。
美容室も飲食店もどちらも専門的な設備知識が必要な場合があるので
どちらの店舗形態も経験のある内装業者に頼むのが良いでしょう。
カフェ件美容室の施工事例詳細はこちらをご覧ください。
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