美容室の開業をしたいけどどのような流れで進めていけば良いのかわからない、といった方向けに開業の具体的な流れと必要なものをチェックリスト形式で解説しています。
記事を読んでみてわからないことがあれば、開業相談も実施しているのでお気軽にお問い合わせください。
目次
美容室開業の流れを7つのステップで詳しく解説
美容師として独立し、自分の店舗を持ちたいと考えている方は多いでしょう。
しかし、美容室を開業するには、免許や資格だけではなく、さまざまな手続きや準備が必要です。また、成功するためには、市場調査やコンセプト作り、事業計画や資金調達なども重要です。
そこで、美容室開業の流れを7つのステップに分けて詳しく解説します。
これから開業する方や将来的に開業したい方はぜひ参考にしてください。
下記記事では開業の流れだけでなく全体像を詳しく解説しているので参考にしてみてください。
全体の流れを把握する
まずは、美容室開業の全体の流れを把握する必要があります。以下が大まかな手順です 。
・市場調査
・コンセプト作り
・事業計画作成
・物件選定
・資金調達
・店舗工事
・税務署と保健所への開業届の提出
・従業員採用
これらのステップに沿って準備を進めていきますが、一つ一つにかかる時間や費用は異なります。また、並行して行うこともあります。例えば、物件選定と資金調達は同時進行で行うことが多いです。
ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
市場調査をする
まず、美容室を出店したいエリアを決めて、そのエリアの商圏分析を行います。
商圏分析とは、そのエリアに住む人々の年齢層や性別、所得水準やライフスタイルなどを調べることです。これにより、そのエリアにどんなニーズや競合があるか把握することができます。
市場調査では、以下のような方法があります。
・インターネットで統計データや口コミサイトなどを検索する
・美容室関連の雑誌や書籍などを読む
・実際に現地に足を運んで観察する
・他店舗や顧客にインタビューする
市場調査は時間と労力がかかりますが、自分の店舗コンセプトや戦略を立てるために重要な工程です。
市場調査をする目的は以下のようなものです。
・自分が提供したい価値を明確化する
・適切な物件条件(立地・広さ・家賃)や予算を決める
・コンセプトやメニュー設定に反映させる
・事業計画書作成時にデータとして活用する
市場調査は自分で行うことも可能ですが、専門的な知識や経験が必要な場合もあります。
その場合は外部コンサルタントにサポートしてもらうのがおすすめです。
Whats incでも開業のサポートを実施しているので、お気軽にご相談ください。
市場調査で得た情報はメモや表などで整理しておきましょう。
コンセプト作り
次に、市場調書で集めたリサーチ結果をもとに、自分の店舗コンセプト(店名・ロゴ・キャッチコピー・メニュー・価格・内装・サービス内容・ターゲット層) を立案します。コンセプト作りでは以下の点に注意しましょう。
・自分らしさや強みを出す
・エリア内でニーズがあるものを提供する
・競合店舗と比較して優位性を持つ
コンセプト作りは自分だけではなく、信頼できる人(家族・友人・先輩美容師) からも意見やアドバイスを聞くことが大切です。また、コンセプト作りは一度だけではなく、常に見直しや改善を行うことが必要です。
事業計画作成
物件選定に入る前に、まずは事業計画を作成する必要があります。
事業計画とは、自分のビジネスの目的や目標、市場分析や競合調査、財務計画やリスク分析などをまとめた文書です。事業計画を立てることには以下のようなメリットがあります。
・自分のビジネスの強みや弱み、機会や脅威を明確にすることができる
・投資家や金融機関に対して自分のビジネスの魅力や信頼性をアピールすることができる
・ビジネスの進捗や成果を測定し、必要に応じて修正することができる
事業計画を作成する際には、以下のポイントに注意しましょう。
・誰が読むかを考えて、わかりやすく具体的に書く
・数字やデータは正確かつ最新のものを用いる
・ビジョンやミッション、価値提案などを明確に示す
・売上予測や利益率などは現実的かつ保守的に見積もる
・リスク要因や対策もしっかりと記載する
事業計画は一度作成したら終わりではありません。
市場環境や顧客ニーズは常に変化しています。定期的に見直し、必要ならば更新していくことが大切です。
物件選定
美容室を開業するには、物件選定も重要です。物件選定には以下のポイントに注意しましょう。
■立地条件
・美容室のターゲットとなる客層が多く通る場所かどうか
・競合店との距離や差別化要素があるかどうか
・駐車場や交通機関の利便性が高いかどうか
■建物条件
・店舗面積や間取りが美容室として適切かどうか
・水道や電気などの設備が整っているかどうか
・改装や内装にかかる費用や時間が見積もれるかどうか
物件選定には不動産会社や専門家のサポートを受けることも有効です。自分の理想とする美容室のイメージを明確に伝え、条件に合った物件を紹介してもらいましょう。
Whats incでは条件に合った物件情報も提供しているので、お気軽にご相談ください。
資金調達
美容室を開業するには、物件賃料や改装費用、設備投資費用など、多額の資金が必要です。資金調達には以下の方法があります。
・自己資金
・融資
・補助金や助成金
順番に見ていきましょう。
自己資金
自分で貯めたお金や家族から借りたお金など、自分で用意できる資金です。利息や返済期限などの制約が少なく、自由度が高いです。しかし、自己資金だけでは足りない場合も多く、リスクも高いです。
次に紹介する融資や補助金も合わせて検討するのがおすすめです。
融資
銀行や信用金庫、公庫などから借り入れる資金です。大きな額を調達できる可能性があります。しかし、審査基準が厳しく、担保や保証人が必要な場合もあります。
利息や返済期限などの制約もあります。
Whats Incの開業相談では融資実行に向けて専門家の紹介もしているのでお気軽にご相談ください。
補助金・助成金・助成融資
補助金や助成金は国や地方自治体などから支給される無利子または低利子の資金です。返済負担が軽減される特徴があります。
しかし、対象となる事業内容や条件が限られており、申請手続きも煩雑であるデメリットがあります。
融資や補助金に関してはいずれも専門家のサポートを受け、検討するのがおすすめです。
資金調達にはメリットとデメリットがあります。
自分の開業計画に合った方法を慎重に検討しましょう。
店舗工事
美容室の開業には、店舗物件の契約と内装工事が必要です。
店舗物件は、立地や広さ、賃料などを考慮して選びましょう。内装工事は、サロンのコンセプトやイメージに合わせて行います 。内装工事には、電気・水道・ガスなどの設備工事や壁紙・床材・照明などの仕上げ工事が含まれます。
店舗工事にかかる費用は、物件の規模や内装のグレードによって異なりますが、一般的には1000万円~3000万円程度と言われています(※スタッフが複数人働くサロン規模の場合)。
費用を抑えるためには、専門家と相談しつつ自分でできることは自分で行ったり、既製品を利用したりする方法があります。
店舗工事にかかる期間も物件や工事内容によって異なりますが、平均的には2ヶ月~3ヶ月程度です。内訳としては、物件を見てからの打ち合わせ期間が約1ヶ月~2ヶ月半、着工してから竣工するまでが約1ヶ月が平均的です。
期間を短縮するためには、物件契約前から内装業者に相談して計画を共有しておいたり、内装会社と密に連絡を取ったりすることが大切です。
美容室の開業のためには費用も期間も掛かるので早い段階で相談をしておき、綿密に計画を練っていくことが大切です。
税務署と保健所への開業届の提出
美容室の開業には税務署と保健所への届け出が必要です。
税務署への開業届には開業日や事業内容などを記載し、印鑑証明書や身分証明書とともに提出します。
保健所への開業届には開業届や施設平面図、美容師免許証、健康診断書などを提出します。
内装工事中に提出し、検査通過後に営業許可が発行されます。
税理士や司法書士、専門家に依頼することもおすすめです。
詳しくは下記記事にて提出書類の詳細、開業届の提出の流れまで解説しているので参考にしてみてください。
従業員の採用
美容室の開業では、従業員を雇用する場合もあるでしょう。従業員を雇用する場合は、労働基準法や社会保険法などの法律や手続きに従って行う必要があります 。
従業員採用に必要な手続きは以下の通りです。
・雇用契約書や就業規則などの作成
・労働保険(労災保険・雇用保険)や社会保険(健康保険・厚生年金)への加入
・税務署への源泉所得税等住民税特別徴収届出書等提出
・健康診断や安全衛生教育などの実施
従業員採用にかかる費用は、給与や賞与だけでなく、社会保険料や労働保険料なども含まれます。一人あたり月額約10万円~20万円程度が目安と言われています。
従業員採用では、人材不足や離職率が高いことも問題です。人材確保のためにも早い段階で準備しておくことが大切です。
美容室開業の流れとそれぞれに必要なものチェックリスト
美容室を開業するときに必要なチェックリストを以下にまとめました。
コピーしてメモ帳に貼り付け、必要な時に見返すようにしてみてください。
- コンセプトの設定
・サロンのターゲットやコンセプト、メニューや価格設定などを明確にする
・ロゴや店名、看板などのデザインの方向性をイメージしておく
・必要なもの:ビジョンや戦略、マーケティングプラン
- 資金調達
・開業費用や運転資金を見積もり、自己資金や融資などで資金計画を立てる
・融資を受ける場合は、銀行や信用保証協会などに提出するための事業計画書や融資申込書を作成する
・必要なもの:開業費用・運転資金・自己資金・融資額・返済計画・事業計画書
- 店舗物件の契約・内装工事
・立地や広さ、家賃などを考慮して店舗物件を探し、契約する
・内装工事は専門業者に相談する。内装工事には保健所への確認が必要な場合がある
・必要なもの:店舗物件契約書・敷金・礼金・家賃・内装工事費用・保健所への届出書類
- 設備や備品の設置
・シャンプー台やカット台、ドライヤー、ミラーなどの設備を揃える。中古品やレンタル品も利用できる場合がある
・シャンプーやカラー剤、パーマ液などの消耗品や美容器具も準備する。仕入れ先と価格交渉も行う
・必要なもの:設備費用・消耗品費用・美容器具費用
- 集客のための施策
・サイトやSNS、チラシなどでサロン情報を発信し、オープニングキャンペーンや口コミ紹介制度などで集客を促す
・リピート客を増やすためには予約管理システムや顧客管理システム(CRM)を導入したり、ポイントカードや会員制度を作ったりすることも有効
・必要なもの:サイト制作費用・SNS運営費用・チラシ印刷費・システム導入費用
美容室開業の流れのまとめ
今回は美容室の開業の流れと、簡単なチェックリストを紹介しました。
実際に開業のために取り組んでみるとやるべきことも多く、独立のための期間や費用など様々な準備も必要になります。
Whats incでは開業のための融資から集客、物件選定や美容室の内装まで開業支援を承っております。
これまで100件以上の施工実績から提案できることもたくさんあるので、お気軽にご相談ください。