【理美容ニュース】値上げの前に見直したい サロン経営の4つの視点

【2026年8月17日の美容ニュース】

個店経営の限界は「共創」で突破せよ

この記事が役立つ対象 🌱 独立開業予定者 👑 オーナー

ホットペッパービューティーアカデミーのアカデミートークに、ボランタリーチェーン「CVC」を率いる坂口貴徳氏が登壇しました。美容室の数は増え続けているのに、業界全体の市場規模は変わっていない。まずこの構造的な問題が指摘されています。

固定費も最低賃金も上がり続ける一方で、美容師一人あたりの単価は据え置きのまま。経営者が抱える悩みは10年以上ほとんど変わらないまま繰り返されている、というのが氏の見立てです。

そのうえで、個店がそれぞれ分断されたまま戦うのではなく、他店と機能を持ち寄って業界全体を底上げする「共創」というアプローチが提唱されています。全36分21秒・7章構成の動画講義です。

(出典:ホットペッパービューティーアカデミー)

美容室で考えるべきポイント

共同仕入れ、共同教育、共同採用。1店舗では持ちきれない機能を、他店と分け合って持つという考え方は、現実的な打ち手になります。

いきなり全部を組む必要はありません。教育か採用のどちらか一つを、近隣の信頼できる1店舗と組んでみる。そのくらいの単位からでも試せます。

「うちだけで何とかする」を前提にしている限り、固定費と最低賃金の上昇には構造的に勝てません。抱え込むことが責任感だと思われがちですが、外に開くほうが結果的にスタッフを守れる場面は多いはずです。


メニューは「足す」前に「消す」を決める

この記事が役立つ対象 🧭 店長・マネージャー 👑 オーナー

米国の業界メディアModern Salonが、サロンのメニュー構成を見直す手順を具体的に示しています。まず直近12か月の実績データを取り出し、メニューを予約件数の多い順に並べるところから始めます。

そうすると、主力メニュー、伸び悩んでいるメニュー、そして1年間まったく予約が入っていないメニューがはっきり分かれます。人気メニューと自分が本当にやりたい施術が一致しているかも、あわせて確認すべきだとしています。

新メニューを足すときは、SNSのトレンドを真似るのではなく既存のお客様に直接聞く。導入前に研修費用の回収見込みを計算し、興味を示した既存のお客様から小さく始めて実績と感想を残す。この順番が推奨されています。

(出典:Modern Salon)

美容室で考えるべきポイント

メニューは足すことばかり考えて、棚卸しをしていないサロンが少なくありません。予約ゼロのメニューが残っていると、お客様の選択を迷わせるうえに、材料在庫と教育コストだけが乗り続けます。

新メニューを入れる前に「消すメニューを決める」。この順番を先にするだけで、メニュー表はかなり読みやすくなります。

研修費や機材費の回収計算をしてから導入する習慣があるだけで、使われないまま眠る設備はかなり減ります。なお記事に出てくる伸長カテゴリ(頭皮ケア・保湿・ウェルネス系)は米国市場の傾向で、日本の数字ではない点は分けて読みたいところです。


週1来店が当たり前の市場から学べること

この記事が役立つ対象 🌱 独立開業予定者 🧭 店長・マネージャー 👑 オーナー 👥 全員

ドバイでは、サロン通いが週単位の習慣になっているそうです。常連のお客様は月に6〜8回来店し、美容サービスに月あたり約800〜1,400ドルを使うと報告されています。

内訳は、イベント前のブロー、10日ごとのネイル、3〜4週ごとのカラー。根元が伸びた状態は社会的に良しとされないという背景があります。そこにヘッドスパやまつげ・眉が重なり、来店頻度が積み上がっていきます。

記事は、立地や価格の勝負ではなく、教育・接客体験・技術への投資で「選ばれ続ける理由」を作れるかどうかが分かれ目だと結論づけています。

(出典:Modern Salon)

美容室で考えるべきポイント

客単価を上げる方法は、値上げだけではありません。来店サイクルそのものを設計し直すという発想が、この記事からは取り出せます。

カラーの合間にヘッドスパやトリートメントを差し込む提案は、日本のサロンでも明日から試せることです。

月6〜8回はさすがに日本の生活習慣とは違います。ただ「次に来る理由を毎回お渡しできているか」という問いは共通で、3か月に1回の来店が2か月に1回になるだけで、年間の来店回数は1.5倍になります。


ロレアルが挑む「RNAi化粧品」という新ジャンル

この記事が役立つ対象 👑 オーナー

ロレアルのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)であるBOLDが、韓国のバイオテクノロジー企業Olix Pharmaceuticalsへ段階的に出資し、共同研究を進めています。

Olixが持つのはRNAiと呼ばれる技術で、特定の遺伝子の働きを抑える仕組みを持ちます。これを美容に応用した「RNAi化粧品」という新しいジャンルの可能性が論じられています。

化粧品開発の軸足が、化学から生物学の領域へ広がろうとしている動きとして注目されています。

(出典:BeautyTech.jp)

美容室で考えるべきポイント

店販商材やトリートメントの「なぜ効くのか」の語られ方が、成分の話から作用の仕組みの話へ変わっていく可能性があります。

新しいカテゴリの商材が店頭に降りてきたとき、根拠を自分の言葉で説明できる美容師とそうでない美容師では、提案の説得力に差が出ます。

すぐ売上に直結する話ではありません。ただ、大手メーカーがどこに投資しているかは、3〜5年後の店販棚の姿を映しています。なお製品化の時期や日本での薬機法上の扱いは、現時点では分かっていません。

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