【理美容ニュース】AIが投稿文を書く時代へ 数字で見る、サロンの単価と集客
【2026年9月7日の美容ニュース】
全理連、AIで投稿文を生成する「BARBER POST」を開発へ
全国理容業生活衛生同業組合連合会(全理連)が、2026年9月3日に開いた理事会で「SNS活用による集客力向上」事業の実施を決めました。1,300万円余りの国庫補助金を活用する事業の一環です。
開発するのは、写真や動画を投稿するだけで、その内容に適したInstagram用の文章をAIが生成するシステム「BARBER POST(バーバーポスト)」。AIは既存のサービスを活用することで、開発費を約220万円に抑えるとしています。
1日あたりの利用回数は5回が上限。2027年6月1日以降は月額300円の定額制サービスへ移行しますが、AIを使わず定型文だけで投稿する場合は引き続き無料で利用できます。全理連は活用に向けた講習会の開催や小冊子の作成で普及を図る方針です。
(出典:理美容ニュース)
SNS運用で時間を取られるのは、実は撮影よりも「キャプションを書くところ」というサロンは少なくありません。撮った写真をその日のうちに投稿できず溜めてしまう、という状態に心当たりがある方も多いはずです。
この事業が示しているのは、その工程はもう人が全部やらなくてよくなった、ということです。1日5回・月額300円という設計は、AIの利用が「試してみる」ではなく「毎日の業務に組み込む」段階に入ったことを表しています。
業界団体が仕組みとして用意するのを待たなくても、同じことは既存の生成AIで今日から始められます。まずは自店の投稿のトーンをAIに覚えさせるところから試してみてはいかがでしょうか。
理美容関連支出は堅調に推移 <家計調査2026年7月>
総務省が2026年9月4日に公表した7月の家計調査(二人以上の世帯)で、理髪料・パーマネント代・カット代・その他の理美容代が、名目値でいずれも前月比・前年同月比ともにプラスとなりました。
利用回数の前月比は理髪料が9.6%増、パーマネント代が5.9%増、カット代が2.5%増。1回あたりの利用金額は理髪料2,940円(前月比5.5%増)、パーマネント代9,833円(同3.9%減)、カット代3,293円(同2.3%増)でした。パーマネント代は3か月連続で1万円台だったものが、7月は1万円を下回っています。
一方、実質値の消費支出は前年同月比3.6%減。実質ベースでは8か月連続のマイナスが続いており、消費者の節約志向は依然として根強いとされています。
(出典:理美容ニュース)
「値上げしたらお客さまが離れるのでは」という不安は、感覚で議論すると結論が出ません。この調査が使いやすいのは、支出金額と利用回数が分けて出ているため、伸びの正体が「来店回数」なのか「1回あたりの単価」なのかを切り分けられる点です。
7月に関しては、回数の増加が全体を押し上げた形でした。裏を返せば、単価そのものはまだ大きく動いていない。パーマ単価が1万円を割ったのは、その象徴かもしれません。
自店の数字を同じ切り口で並べてみると、業界平均と自店のどちらがどう動いているかが見えます。値上げの是非より先に、まず自店が回数型なのか単価型なのかを確かめたいところです。
欧州美容大手の決算にみる、3つの成長カテゴリー
2026年上半期の決算を発表した欧州ビューティ大手の数字を、企業別ではなくカテゴリー別に並べ直すと、成長が集中している領域がはっきりと浮かび上がります。ダーマ/サイエンス系スキンケア、プレミアムヘアケア、そしてフレグランスの3つです。
米調査会社サカーナの2026年上半期の米国市場レポートでは、プレステージヘアが金額11%増・数量8%増、なかでもヘアセラムは約60%増。一方でプレステージメイクは3%増にとどまり、数量は減少しました。ロレアルのダーマトロジカル ビューティ部門は既存事業ベースで11.3%増と、グループ全体の6.8%増を大きく上回っています。
共通しているのは、肌悩みや成分、効果といった明確な理由を示しやすく、専門家の推奨とブランド価値を結びつけられる領域が伸びているという点です。
(出典:BeautyTech.jp)
「プレミアムヘアケアが伸びている」という一行は、店販の棚づくりにそのまま効いてきます。特にヘアセラムの約60%増という数字は、単価の高いケア製品が敬遠されているわけではないことを示しています。
ただし伸びているのは「高いから」ではなく「理由を説明できるから」です。何にどう効くのかを言葉にできる商品が選ばれている、という読み方が正確でしょう。
サロンはもともと、プロの知見をホームケアに橋渡しできる立場にいます。世界的に伸びているカテゴリーが、その強みが最も効く領域と重なっている。店販の構成を見直すには良いタイミングだと思います。
「後ろ姿」で指名客が増える! インスタ集客にネープケア
SNSでヘアスタイルを発信することが集客に欠かせない今、あらためて注目されているのが「後ろ姿」の写真です。正面のショットは顔出しのハードルがある一方、後ろ姿は撮られる側の抵抗が少なく、見えない部分まで丁寧に仕上げる美容師だというアピールにもなります。
脱毛機器「REMILA」を展開するリサスティーは、業界初となる後ろ姿のヘアコンテスト「REMILA BHC 2026」を開催。審査員を務めたROSE代表の高木達也さんは「丸い、スクエア、ラウンドなど、襟足の形によってヘアアップしたときのイメージはまったく変わります。ネープのデザインは私たちがちゃんと管理してあげないといけないし、そこに価値がある」と語っています。
うなじのケアを「ムダ毛の脱毛」ではなく「デザイン」として捉え直す視点が示されました。
(出典:Beautopia)
この話の実務的な価値は、SNSの撮影方法と、メニューの価値づけが同時に動くところにあります。後ろ姿は「撮らせてもらいやすい」という現実的な利点があり、投稿数を増やしたいサロンにはすぐ効きます。
そのうえで、ボブやショートのバックデザインは顧客自身が確認できない部分です。だからこそ写真で見せる意味があり、同時に「そこにお金を払う理由」を説明する余地も生まれます。
うなじを整えることを施術のついでではなくメニューとして立てられるか。そこが単価を動かせるかどうかの分かれ目になりそうです。
美容師実技試験の見直しに批判も!? アンケートで判明した現場の声
見直しが進む美容師国家試験の実技試験について、一般社団法人日本美容サロン協議会(JABS)が実施したアンケートの結果が明らかになりました。
オールウェーブのセッティングで使用するフィンガーウェーブの導入については、反対が86.6%、賛成は13.4%。反対理由は「現場の実践的な技術に見合っていない」「現在のサロンでは不要」といった声が中心でした。一方の賛成側からは「細かな技術に対する向き合い方が変わる」という意見も挙がっています。
代わりに実施すべき実技試験としては、カット(複数パターンをランダムに)が67.7%、カラーが52.1%、ブロードライ&スタイリングが40.5%。「実技試験はいらない」も10.4%ありました。新たな実技試験は2029年2月からの実施が予定されています。
(出典:Beautopia)
試験の内容は、入社してくる新人が何を身につけているかを決めます。現場で使わない技術に学生時代の時間が使われれば、その分の教育コストはサロン側に回ってくる、という構造です。
注目したいのは反対の割合よりも、「代わりに何を測るべきか」で意見が割れていない点です。カットが67.7%と突出していることは、現場が新人に最初に求めるものがどこかを示しています。
2029年2月という実施時期は、これから採用する世代がちょうど対象になります。自店の育成カリキュラムの入口をどこに置くか、考え直す材料になりそうです。
高知市が物価高騰支援、理美容室に1施設4万円
高知市の桑名龍吾市長が2026年9月1日の記者会見で、物価高騰の影響を受けている理容業・美容業・クリーニング業・浴場業の4業種を対象とした緊急支援策を9月議会に提出すると発表しました。
19億4,800万円の補正予算案のうち、4億2,000万円余りを4業種への支援に充てます。支援額は理容室・美容室が1施設につき4万円、クリーニング店が5万円、一般公衆浴場が営業時間に応じて5万円または10万円。9月議会は9月8日に開会します。
物価高騰を受けた理美容業への自治体独自の支援は、東京都八王子市や宮崎県などでも実施されています。
(出典:理美容ニュース)
高知市以外の方にとっては直接関係のない話に見えるかもしれませんが、押さえておきたいのは八王子市や宮崎県でも同種の支援が行われているという部分です。
この手の支援は、国の補助金と違って大々的に告知されないことが多く、市区町村の広報や生活衛生同業組合の案内に小さく載るだけ、というケースが珍しくありません。知らなければ受け取れないタイプの制度です。
金額そのものは1施設4万円と大きくはありませんが、申請に必要な手間を考えると割の良い部類でしょう。自分の自治体で似た制度が動いていないか、一度確認しておく価値はあります。
HAIRCAMPとMOSHが提携 美容業界のクリエイター支援を強化
オンライン学習サービス「HAIRCAMP」を運営するHAIRCAMP株式会社と、クリエイター向け販売プラットフォーム「MOSH」を運営するMOSH株式会社が、業務提携を開始すると2026年9月1日に発表しました。
提携の第1弾として、HAIRCAMPが提供するオンラインサロン領域とMOSHのシステムを連携します。これにより、HAIRCAMPでオンラインサロンを運営するクリエイターは、MOSHのシステムを使って会員管理や決済、コンテンツ提供を行えるようになります。
両社は今後、専門技術や教育力を持つ美容従事者の発掘、オンライン講座やイベントなど新たなサービスの創出にも取り組むとしています。
(出典:理美容ニュース)
独立を考えるとき、事業計画はどうしても店舗の売上一本で組みがちです。ただ、席数と営業時間で上限が決まる収益だけに頼ると、体調を崩した月や集客が落ちた月をそのまま受けることになります。
この提携が整えようとしているのは、技術や知識を有料コンテンツとして売る側の仕組みです。会員管理や決済といった、個人では面倒で後回しになりがちな部分が用意されるという話でもあります。
もちろん、コンテンツを作って売るには時間もかかりますし、誰にでも向く道ではありません。ただ、開業前から「サロンワーク以外の柱を持つ選択肢もある」と知っておくかどうかで、資金計画の作り方は変わってくるはずです。
発光ミラーに120色の照明 TikTok映えを押さえたメンズサロン
東京・原宿にオープンしたメンズサロン「ANSWER 原宿店」の内装事例です。20.6坪にセット面8席、シャンプー台3台、コールドスペース5席という構成で、居抜き物件をほぼスケルトンから施工しました。
当初はグレー基調で設計が進んでいましたが、店長の「インテリアショップっぽい内装にしたい」というひとことから、デザイナーがベージュトーンを提案。これが好評で、最初の提案がほぼそのまま採用され、依頼から約半年でオープンに至りました。
特徴的なのは、すべてイチから造作したというオリジナルの「発光ミラー」。約4.5メートルの吹き抜けを活かした大ぶりの丸型ペンダントライト、待合のソファ上にモニター代わりで映像を投影するプロジェクターなど、SNSでの発信を意識した設計が随所に入っています。
(出典:Beautopia)
内装で最も参考になるのは、費用の総額よりも「どこにお金と手間をかけたか」です。この事例では発光ミラーという撮影のための設備が最優先になっており、集客の方法から逆算して設計されていることがわかります。
もうひとつ注目したいのが、店長の一言でベージュ基調に決まり、最初の提案がほぼそのまま通ったという進み方です。コンセプトを言葉にできていれば、打ち合わせの往復も追加のデザイン費も減らせます。
プロジェクターが営業後のスタッフ同士の交流に使われているという点も見逃せません。設備は集客だけでなく、働く側の環境としても効いてきます。
みなさんのサロンではどうされていますか?