美容師にとって、1人美容室を開業することは成し遂げたい夢のひとつですよね。
そんな憧れの1人美容室ですが、「売り上げを増やすにはどうすれば良いのか」という問題が常につきまといます。
1日あたり何人のお客様に施術をすれば経営が成り立つのでしょうか。
今回は、1人美容室の売り上げと1日の客数についてお話します。
なお、ひとり美容室の作り方についてはこちらの記事をご参照ください。
1人で始める美容室だけでなく広い美容室も含め内装デザインから費用相場、内装の流れまで理解できる完全ガイドを作成しました。
下記から合わせてご覧ください。
参照：【美容室の内装完全ガイド】内装の流れからデザイン事例まで解説
目次
1人美容室は1日何人くれば経営が成り立つ？
全国の美容室の月額平均売上は170万円といわれています。
ただ、1人美容室はお客様に対してマンツーマンで施術をするので、平均よりも顧客人数が下がってしまいます。
そのため、月額の売り上げが全国平均よりも下回ることが多いと言われています。
1人美容室の場合は月に70～100万円の売り上げがあると安心ですが、経営が上手くいかない場合は30～50万円ほどになってしまうこともあります。
そこで売り上げを増やすポイントとなるのが、「売上＝顧客人数×単価」の考え方。
1人美容室の顧客単価は平均6,000円と言われています。
お客様の人数が少なくても単価が高ければ売り上げは大きく、反対にお客様の人数が多ければ単価が安くても良いのです。
ちなみに、月70万円の売り上げを上げるためには、月の営業日数が25日とすると1日あたり3万円の売り上げを出す必要があります。
1日の顧客人数別に単価や売り上げなどを見ていきましょう。
パターン① 1日2～3人の場合
まずは、1日の顧客人数が2～3人の場合です。
顧客人数はお客様が選ぶメニューによって変化しますが、顧客人数が2～3人の場合は時間のかかるメニューを選ばれるお客様が多いときです。
縮毛矯正やカット＋カラー＋トリートメントのメニューの場合は約3時間かかるので、顧客人数が少ないのも頷けます。
また、このようなメニューは顧客単価が高く、1人あたり1万円以上の売り上げを出すことも可能です。
「1日あたり2～3人しかお客様がいないのは少ないのではないか？」と感じるかもしれませんが、人数が少ない分顧客単価が上がることで「1日3万円」という売り上げ目標を達成することができます。
パターン②1日5～7人の場合
次に、1日の顧客人数が5～7人の場合です。
1日の労働時間を8時間とすると、1人あたりの施術時間は60～90分あたりが目安になります。
このような場合は、時間のかかるメニューよりも比較的短時間でできる、カットのみ、カラーのみといったメニューを選ぶお客様が多い日です。
そうなると顧客単価も下がり、顧客単価は平均の6千円が目安となります。
5人の施術をすると「5人×6千円=3万円」の売り上げとなり、7人では1日あたり42,000円、月の売り上げは100万円以上となります。
1人美容室の経営は良い状況だと言えるでしょう。
パターン③1日9～10の場合
最後に、1日の顧客人数が9〜10人の場合です。
この場合は顧客人数がかなり多いので、カットやトリートメントのみ、ヘアセットなどといった時間のかからないメニューを選ぶお客様が多い印象です。
顧客単価も低めで、平均の6千円やそれ以下になることもあります。
仮に10人の施術をした場合、「10人×5千円＝5万円」の売上となります。
1ヶ月に25日営業すると125万円の売り上げになり、1人美容室の営業は大きな利益が見込めるでしょう。
ただ、その分1日の労働時間が長いので、営業日数を減らしたりアシスタントを雇うなどして自分の負担を減らしましょう。
お客様により良いサービスを提供するためには、日々の疲れを溜めないようにすることも大切です。
1人美容室は平均1人何人施術できるか？
1人美容室の経営を成り立たせるための客数は、上記の例のようにいろいろなパターンがあります。
ただ、縮毛矯正のような時間のかかる施術をするお客様だけの日や、1時間ほどで終わる施術をするお客様だけの日というのはめったにありません。
単価の高いメニューを希望される方や、カットのみ、カラーのみといった低価格の施術を志望される方など、いろんな方が来店されます。
そのため、1人美容室の1日あたりの平均客数は約5～6人程度だと考えられます。
仮に、1日に高価格帯のメニューを希望される方が2名、平均価格帯のメニューを希望される方が3名来店した場合、「(10,000円×2人)+(6,000円×3人)=32,000円」となり、1日の目標売上である3万円を超えることができます。
尚、こちらは全国平均の値で計算しているため、都心部など、家賃や月々の初期投資返済額が高い場所については、メニュー単価をあげたり、店販を利用して売上高を上げたりといった工夫が必要になるでしょう。
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