美容師なら誰もが憧れる1人美容室。
ただ、詳しい開業方法や資金調達、内装決めなど、難しいことが多くハードルが高いのも事実です。
そこで今回は、1人美容室を開業するにあたり、知っておくべきことをまとめてお伝えしていきます。
内装にポイントを当てて、内装にかかる資金やデザインから低予算での実現方法まで解説します。
1人美容室の開業を目指している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
1人美容室の内装の作り方5つのステップ
1人美容室を開業する上で特に悩むのが「美容室の内装作り」ではないでしょうか。
内装は自分の好きなようにデザインできるメリットもありますが、だからこそどんなデザインにすれば良いかわからない方も多いです。
ただ、内装デザインはお客様に気持ち良く施術を受けていただくために重要なポイントでもあります。
そのため、闇雲に決めるのではなく、しっかりとステップを踏んで作っていくことをおすすめします。
①コンセプトを明確にする
②既存のデザインでイメージを膨らませる
③物件と内装業者を決める
④運営に必要な設備を決める
⑤細かい備品やインテリアなどを決める
内装は、美容室の雰囲気やターゲット層(→挿入)の獲得を左右する大きなポイントです。
運営方針にあった内装作りを目指しましょう。
下記それぞれ説明していきます。
コンセプトを明確にする
1人美容室を開業するにあたって、コンセプトを明確にするのはとても重要です。
事業計画書の作成にもかかわってくるところなので、最初の段階で考えるようにしましょう。
また、コンセプトを明確にするためには、今後狙っていくべきターゲット層を明確にすることも大切です。
お客様の性別や年齢層、価格帯など、どのような人に対してどのようなサービスを提供するのかを決めましょう。
20代は今どき感のある雰囲気、30代は落ち着いた雰囲気など、ターゲット層によって内装の雰囲気は大きく変わってきます。
ターゲットに対してどんな内装イメージにするのが効果的なのかをしっかり考えながら、美容室のコンセプトを決めていくことが大切です。
既存のデザインでイメージを膨らませる
コンセプトやターゲット層が明確になったら、既存のデザインを見てイメージを膨らませましょう。
「ナチュラル系にしたい」と思っても、木材の色味やインテリアによって雰囲気が大きく変わってきます。
例えば、明るいカラーの木材を使うと温かみのある印象になり、ブラウン系の木材を使うと大人っぽい印象に。
色褪せた木材をつかうと、アンティーク調の雰囲気にもなります。
なんとなくの想像で内装を決めるのではなく、まずは既存のデザイン事例を見てイメージを膨らませることで、より作りたい内装が明確になってきます。
何も手がかりがない状態のままデザインイメージを考えると、今まで自分が見てきた知識の中でしかイメージが膨まず、それがコンセプトにあっているのかも段々わからなくなってくる事があります。
より具体的に画像資料を集めることで、美容室のコンセプトと美容室全体のイメージをあわせやすくなり、失敗しにくい美容室になるでしょう。
資料の集め方として、instagramやPinterestなどを活用するのがオススメです。
物件と内装業者を決める
美容室の内装のイメージが固まったら、物件や内装業者を決めましょう。
物件選びについては、お店のコンセプトや作りたい雰囲気はもちろん、予算に合った場所を選ぶことがポイントになります。
物件契約は初期費用としても大きな割合を占めますし、家賃は固定費として毎月かかってくるものになります。
あらかじめ予算を決めておかなければ後々苦労する可能性もあるので、きちんと損益を計算した上で物件を探すようにしましょう。
また、内装業者の選定は、美容室の内装実績のある内装業者を選ぶのがおすすめです。
内装業者には、サロンやオフィス、飲食店など、それぞれ得意分野があります。
美容室の内装に長けた内装業者を選ぶことで、より質の高い提案が受けられるでしょう。
運営に必要な設備を決める
美容室を運営するためには、専門の設備が多く必要になってきます。
特に、施術台やシャンプー台などはお店のサービスを左右する設備であることはもちろん、家具としても美容室の内装を決める重要なアイテムとなります。
美容室の雰囲気に合ったカラーやデザインのものを選ぶようにしましょう。
そのような設備を購入する際は、広さや動線を考慮したサイズ感や自分らしい施術ができる機能性も大切です。
これらはお店の運営にかかわってくるアイテムになるので、必要に応じてメーカーのショールームに行き、実際に使い心地を試してみましょう。
また、パルッキーなど、物によっては200Vの電源工事が必要な機器もあるため、出来れば何を導入するか工事前に決めておくのが理想です。
ちなみに、美容室に必要な家具は、内装業者から提案してもらえることが多いですが、もちろん自分で選ぶこともできます。
内装業者と相談しながら決めることで、より素敵な空間作りに繋がるでしょう。
なお、レジや顧客管理に必要な設備、店内に音楽をかけるための設備、監視カメラや電話などの設備については、様々なサービスがあり、内装工事にも絡んでくるものなので、早めに検討して手続きを進めておいたほうがいいでしょう。
細かい備品や小物系のインテリアなどを決める
大まかな設備や内装デザインが決まれば、いよいよ内装・設備に関する準備も終盤となります。
施術に必要な細かい備品や、よりよい内装作りのためのインテリアなどを決めていきましょう。
施術に必要な備品としては、ドライヤーやヘアアイロン、タオルやシャンプーなどです。
これらは大事な商売道具ですが、開業準備中は忙しいため、購入を忘れてしまう可能性もゼロではありません。
必要なものは事前にリストアップしておくことが大切です。
時計や置物などの細かいインテリアは、お店の雰囲気に合ったものを選ぶようにしましょう。
特に、好きなものだけを置いてしまうと、内装工事で整えた店内イメージに合わず、バラバラの印象に見えてしまうこともあります。
内装に合ったデザインのものを探してみると良いでしょう。
一人日美容室の内装はDIYで作れる?低予算で実現する3つの方法
「1人美容室を作るなら内装にこだわりたい!」と考える方も多いです。
ただ、こだわりが強いほど価格が上がり、予算を大きく上回ってしまう場合があります。
できるだけ費用を抑えて内装を作る方法も紹介していきます。
低価格で内装を作るためのポイントは、次の3つです。
・既製品や中古品を選ぶ
・目立つところだけこだわる
・DIYに挑戦する
コストカットは難しいと感じるかもしれませんが、設備の選び方や置き方次第で低価格に抑えることも可能です。
既製品や中古品を選ぶ
費用削減の定番ともいえるのが、既製品や中古品を選ぶこと。
自分の理想の内装設備やインテリアが見つからないと、オーダーメイドにしたくなりますよね。
ただ、オリジナルの製作をすると、予算がかなり跳ね上がってしまいます。
最近では既製品でもお洒落で低価格のものがたくさんあるので、低予算で内装を考えている方はできるだけ既製品を選ぶようにしましょう。
どうしても予算が厳しい場合は中古品を選ぶのも手ですが、使い勝手が悪いなど失敗することもあります。
見た目や機能性などをしっかり確認し、内装業者と相談した上で購入を検討しましょう。
注意点としては、店内の雰囲気がちぐはぐに見えないようにすることです。
特に、中古品だとビンテージ感の強いものもあります。
コンセプトによってはあえて選ぶのも良いですが、お店の雰囲気に合うかどうか、また機能面に支障がないかしっかり考慮して選ぶことが大切です。
目立つところだけこだわる
内装を決める際にコスト削減を重視しすぎてしまうと、どうしても無個性な印象になってしまうこともあります。
他店との違いや”自分のお店らしさ”を出すためには、空間全体のバランスを考慮した上で、店内の一部だけにこだわりを集めるという手もあります。
例えば、施術中にお客様が見る鏡にこだわったり、店内の一部にオリジナルのフォトスポットを作ってみたりなどです。
大きな観葉植物やブランド品の照明など、デザイナーズ家具を置いてみるのも良いかもしれません。
美容室はトレンド感や個性が重視される場所でありながらも、全ての(→挿入)内装費用を抑えてしまうと無個性でチープな印象になってしまいます。
ですが、店内の一ヶ所に予算をかけてこだわりを詰め込むことで、お洒落な印象を損なわずにコストカットできるでしょう。
DIYに挑戦する
内装を作る時は基本的には内装業者に依頼するものですが、予算の関係で内装の全てをプロに任せるのが難しいこともあります。
そういった場合は、プロと相談しながら一部DIYに挑戦してみるのも良いでしょう。
ただ、お客様に気持ちよく施術を受けていただくためにも、DIYに自信が無い方はできるだけお客様の目につかない場所を選ぶようにしましょう。
例えば、スタッフルーム内や店内の目立たない部分の収納などです。
簡易的な棚などは、ホームセンターで買ってきた板材で手軽に作れるでしょう。
DIYに少し自信がある方は、受付カウンターや待合スペースなど、お客様の目に付くところに挑戦してみてもいいでしょう。
例えば既製品の安価なレセプションカウンターに自分でタイルを貼ったり、デザインシートを貼ったりすると、ガラッと雰囲気が変わります。
流木でオブジェを作ったり、看板を手作りしてみたりしてもいいでしょう。
入り口付近はお店の顔となるので、手作りのデザインがお店の個性として良い味を出してくれそうです。
天井や壁の塗装もDIYで施工可能ですが、こちらは意外と上級者向けです。
壁は、下地によってはパテ打ちなどの専門的な技術が必要になり、天井は脚立での作業や養生が必要になってくるため、慣れない方には少し難易度が高いでしょう。
床は髪や薬剤がかなり落ちるので、掃除のしやすさがとても大切です。
場所によっては向き・不向きな素材があるので注意が必要です。
DIYすべきものとすべきでないものは専門家に相談して判断し、できる部分はDIYに挑戦してみるのも良いでしょう。
1人美容室の内装事例3つ
ここでは、美容室の内装を3つ紹介していきます。
・ナチュラルなデザイン
・高級感のあるデザイン
・シンプルなデザイン
こちらの3つの内装デザインは根強い人気があり、長く付き合えるデザインです。
ナチュラルなデザインは年齢層を問わずに人気ですが、高級感のあるデザインは高年層、シンプルなデザインは感度の高い若年層に特に人気です。
ターゲットに合った内装デザインを考えてみましょう。
下記記事では詳細に解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
おしゃれな1人美容室の内装事例7つとデザインのポイントを解説
ナチュラルなデザイン
年齢問わずに高い人気を誇るのが、ナチュラルデザインの内装です。
温かみがあるので、居心地の良さを求める方には特に支持されやすいです。
入店もしやすいので、新規のお客様にも安心感を持ってもらいやすく、アットホームで和やかな雰囲気になります。
ただ、ナチュラル系といっても木材の色やインテリア次第で可愛くも大人っぽくもなるので、お店のコンセプトに合ったイメージをしっかり持っておくようにしましょう。
比較的どんな小物とも相性が良いので、観葉植物やオブジェなど、自分の好きなインテリア雑貨を置きやすいでしょう。
市販のインテリア雑貨を購入する際は、お店の雰囲気にマッチしたものを選びましょう。
高級感のあるデザイン
1人美容室というと、どちらかというとアットホームな印象になりがちです。
だからこそ、あえて高級感のある内装にすることで他店との差をつけることができます。
美容室は、お客様がより美しくなるために来る場所です。
そのため、ここでしか味わうことのできない上品さや高級感は、お客様の満足度をより高めるための手助けとなってくれるでしょう。
高級感のあるデザインの場合、必ずしも内装費用が高くなるというわけではありません。
使う素材が安くても、全体のトーンを落として空間に統一感を持たせたり、間接照明を使ったり、照明を暖色にすると高級感を演出しやすいです。
コストを抑えるには、素材を工夫してコストカットしていきましょう。
シンプルなデザイン
シンプルなデザインは、実はけっこう非日常感を演出しやすい内装デザインとなっています。
現在も根強い人気があり、若年層を中心に、建築やデザインに敏感な方に人気の内装です。
注意点としては、「シンプル」と「質素」を履き違えない様に、しっかりデザインを計算する事が大事です。
シンプルな物のラインを美しく作るためには、意外とお金がかかります。
最近は既製品でも、海外メーカー品でシンプルなラインの美しい家具がわりと安く手に入ったりするので、そういった物を取り入れるのもオススメです。
また、デザインで使うメインの色や形によって、お店のイメージがかなり変化するので、ターゲット層に合った内装作りを意識しましょう。
それぞれ事例をまとめているので、下記ページを参考にしてみてください。
1人美容室の内装に資金はいくら必要?
1人美容室の内装を考える際、必ず意識したいのが予算です。
1人美容室の内装には、約650万円かかると言われています。
ただ、1人美容室の開業には物件や設備など他にも資金が必要なので、全て自分で賄うのは難しい方もいるかもしれません。
そこで、自己資金が無い場合とある場合に分けて、内装費の負担額や資金の調達方法について考えてみましょう。
下記記事にて詳細に解説しているので合わせてご覧ください。
パターン① 自己資金が少ない場合
美容室の開業資金は800万〜1,000万円台が相場で、その中でも内装には650万円かかると言われています。
そのため、「1人美容室を開業したいけど自己資金がほぼ無い…。」という方もいます。
そういった場合は、融資を受けることで開業が可能になります。
開業資金は1/4が相場だと言われているので、約200〜300万円ほどあると良いです。
ただ、内装費の650万円というのは決して余裕があるわけではないので、費用を抑える意識を持ちながら予算を立てるようにしましょう。
店内の一部をDIYしたりこだわる場所を最低限にするなど、専門家と相談しながら工夫すると良いでしょう。
また、もし開業資金がゼロの場合は融資を受けたくても審査が厳しいことが多いです。
少しでも自己資金を用意した上で、開業準備を進めることをオススメします。
パターン② 自己資金が多い場合
開業資金に余裕がある場合は、よりコンセプトに合った理想の1人美容室を作ることができるでしょう。
内装にこだわりのある方は、「新築物件」を選ぶのがおすすめです。
ここでいう「新築物件」とは、基本的にはビルの中に何もない状態から、1から内装工事をすることをさします。
何もない状態から設計デザインできるので、自分好みの内装に仕上げやすいでしょう。
とはいえ、こだわりすぎると費用がかなり高くなるので、しっかりと予算を考えた上で内装を決めることが大切です。
また、美容室の開業には、初期費用だけではなく開業後の運転資金も必要です。
そのため自己資金に余裕があったとしても、できれば融資を受けることがおすすめです。
開業後は、融資を受けたくても経営状況によっては難しい場合もあります。
融資を受けて自己資金を確保しておくことで、無理なく開業・経営できるでしょう。
1人美容室の内装の作り方のまとめ
1人美容室の開業には、内装や資金面など様々な悩みがつきまといます。
閉店してしまう1人美容室も多い中で、「何年も続く美容室」へと成長させるには多くの課題があることでしょう。
WHATSでは、開業時のお手伝いを手厚く行っており、長く愛される美容室作りのサポートを行っています。
1人美容室に関して悩んでいる方は、ぜひお気軽に相談してみてください。